多彩に立つイエローゴールド

きっとその金糸は絵画上だけの物ではない。

そしてどこか憂いを帯びたシトリンも、立体像と交差する箇所が所々光るのだ。

 

その瞳、一体何処で磨いてきたと言うのか。

卑しい電子世界の内に、未熟な頃からひっそりと息づいてきた宝石。

年端のいかぬ石の内に、根拠のない罵倒という摩擦を受けて。

 

それでも今、多少鈍くとも返り咲く様に光り輝いたその美しさ。

底の厚い据わり方には、難解な生き様がありありと刻まれているのだ。

それを苦ともせず、寧ろ楽しむものとする華麗さ。

自らを律し歩むその姿、生半可な結晶が何を提言するというのか。

 

艶美な声の裏地に縫い付けられた、鮮やかな生の歩み。

 

今や広大な劇場で、シトリンは偶像となって人々の手に渡る。

それでも彼は、奢らず息衝く

世界を構成する歯車にすぎないメッキと、確固たる歓声を一身に浴びる輝石として。

今日も密やかに生きているのだ。